
この夏は、どこへ行こうか。
迷っていたところ、
仕事先のボスが、ヴェネツィアのセカンド・ハウスを、
8月は誰も使わないので、自由に使いなさいと。
家の鍵とヴェネツィアの地図とテレビの衛星放送のカードを渡してくれた。
実をいうと、ヴェネツィア。
12年ほど前に訪れたときの印象は、さほど格別でもなく。
夏の暑さにむせ返る海の匂い。観光客の多さにすこしうんざりしていた記憶。
それでもやはり、たまたま出くわしたヴェネツィアの船のお祭り「ガレッタ」で、
色とりどりの船で彩られた海は華やかで、
隣島のリドには、映画「ヴェニスに死す」そのままの優雅で穏やかな海岸、
ハリーズバーで、コクのあるイカ墨リゾットを食べながら、
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会に落ちていく夕日がとても綺麗で
記憶に残っている。
そして今回のヴェネツィアは、
アルセナーレ(元造船所だったところ)に位置する
アパルタメントをお借りして10日間の滞在。
観光客のすくない小さな小道を歩いてみたり、
色彩豊かな家々が立つブラーノ島、ヴェネツィアンガラスで有名なムラーノ島、
そして未開拓のトルチェッロ島。ヴァポレットに揺られて、隣島を訪れる。
時間に追われることなくのんびりとした休暇。
海に面する潟を散歩していると、
まるで潟に浮かんでいるかのような、おしゃれなレストランを見つけて。

太陽のひかりでまぶしく光る海を眺めながら、魚介のアンティパストとリゾット。

ヴェネツィアの教会には、ティントレットやティツィアーノの絵画が点在していて、
それらを求めて歩いていると、美しい橋に遭遇する。
サンマルコ広場から眺める景色は、海に拓かれた都市の懐の深さを思わせる。
朝・昼・夕・夜と時刻とともに、印象が変わってゆく。
いつでも好きなときに来てね。と、
誘っていたともだちが、順々にミラノからやって来てくれて、
一緒に散歩して、ジェラートをたべて、魚市場で鯛をかって料理したり。
生活しながらするバカンスがこれほど楽しいとは。
ヴェネツィアは世界に2つとない街。
暮らすようにヴァカンスを楽しみなさい。
きっと忘れられない夏休みになる。
とボスが7月のおわりに言ってくれたけれど、
ほんとうに素敵でゆったりとしたヴェネツィア滞在になりました。