9月のヴェネツィア
2008年 09月 14日
仕事のため、再びヴェネツィアへ。
朝、会社に出ると、突然に出張の指令。
あわてて昼休みに自宅にかえり、荷造りをして、午後4時の
列車で同僚とヴェネツィアに向かう。
メストレからサンタ・ルチーアへの長い橋にさしかかると、
夕日が橙色にやわらかく落ちていく。
翌日から、ビエンナーレの建築展と平行開催の
サン・フランチェスコ・デッラ・ビーニャ教会での
展示準備。
この夏休みに制作しておいた、8枚の三角形の幕を
かつてのガスタンクだった巨大な円柱に、展示する。
そして、教会の回廊には、15枚のパネルを。
メインテーマは
教会という総合施設の役割とそこにある地域の人々とのかかわりを
見つめ直し、教会の存在そのものの再生。
8枚の三角形の幕には、
サン・フランチェスコ・デッラ・ビーニャ教会の
図書館に所蔵される古典の本から、いくつか美しいページを選び、
写真に撮り、そして印刷をした。
回廊のパネルは、
世界中の教会から7つの教会を石、鉄、木などの素材ごとに選んだ。
建築と著名な建築家、作家の言葉を連動させている。
この教会は、日本のガイドブックには載せられていないが、
パッラーディオのファザードがあり
奥にはベッリーニの絵が中に飾られている。
教会施設のぶどう畑(vigna ビーニャ)は海に臨み
自然の恵みを享受している。
2日間にわたる展示作業をおえて、
神父さんに無理にお願いをして鐘楼に上らせてもらう。
ヴェネツィアの景色は、海に囲まれているせいか、寛大な眺めがある。
ブラーノ島のすぐちかくにあるという、ちいさな島にある教会から、
船にジャガイモ、ニンジン、たまねぎを積んで神父さんがやってきていた。
一緒に今回しごとをした地元の建築家さんは
「ジャガイモを船で運んで来て、
また別のジャガイモをもらって帰るんだ。ジャガイモの物々交換」
なんて冗談まじりに話していたけど、
海上に創られた街ヴェネツィアは、車がなく運搬の便を考えても、
物々交換というシステムが住民の間や教会に
今もまだ存在するように伺え、なんだか懐かしい光景だった。
展示は11月22日まで。
毎晩20〜22時はライトアップされる。
by peperoni4
| 2008-09-14 16:02
| イタリア