
ラグザーノ
ONAF(Organizzazione Nazionale Assaggiatori Formaggi)
イタリアチーズの味わい方、味ききの仕方を伝播する活動を
おこなっている協会があります。
イタリア各地に支部があって、
味ききの講座や、イベント、酪農工場への訪問などを催しています。
今回参加したのは、
「シチリア産ラグザーノの味きき会」。
ラグザーノは、シチリア島の南の端っこのラグーザ、シラクーザでつくられるチーズで、
牛の全乳でつくられるチーズ。
Pasta filata(70−80度の水のなかで、伸ばして紡がれる)。
D.O.P.(原産地保護名称)に認定されるのは、熟成3ヶ月以上のもの。
半熟成タイプが5−6ヶ月、熟成タイプだと8ヶ月以上、
熟成用の小屋で紐につるした状態で熟成されます。
色は、黄色っぽく、若いチーズだと、弾力、伸縮性があって、
熟成するにつれて、乾いた感じ、割れ目、ヒビが出てきます。
香りは、ONAFの先生いわく、火を通した乳製品の香り。
熟成とともに、乳製品というよりも、木の実や植物の香りが増します。
今回の試食チーズは、
-Provola Iblea - pasta filata fresca
-Cosacavaddu Ibleo
-Ragusano D.O.P. stagionato 9ヶ月熟成
1つめのプロヴォーラは、伸びる感じのチーズ。
噛むほどに甘みが出てきます。
熟成は4ヶ月程度までなので、若い新鮮味があります。
2つめは、コーサカヴァッドゥ・イブレオ
シチリアで最も古いチーズといわれています。
黄色くて、ゴムのような弾力性があります。
口のなかで、味わうにつれて、植物性のかおりがして、
クセになる味わい。
3つめは、ラグザーノの9ヶ月熟成タイプ。
パルミッジャーノの熟成したもののように、
割れ目があって、水分がすくなく、乾いた感じがします。
ラグザーノの熟成したのは、塩分がかなりキツいので、
野菜、パンなどと一緒に食べるとおいしい。
この3種をチーズのみで順番に試食したあとは、
abbinamento(チーズのおとも)の試食。
写真のプレートが、おともと一緒のチーズたちです。
左下がブルスケッタ2種類。
シチリアのラグーザでは、このブルスケッタをRANZA(ランツァ)と呼ぶそうです。
強力粉のみをつかったパンに、シチリア産ポモドーロのパキーノと、
シチリア産の香りのつよいオリーブオイル、オリガノをまぶし、
ラグザーノの熟成タイプを乗っけて食べます。
もう1種は、パキーノトマトの代わりに、パキーノトマトでつくった濃厚なペースト。
チーズの塩っけと、パンの香ばしさ、パキーノとオリーブオイルの植物性の香りとが
一体になって、シチリアの味の固まりを食べたかのような、新鮮なパンチのある味。
右下が、ラグーザの熟成タイプにシチリア産のはちみつ。
このはちみつ、とろっとした感じがなくて、
まるで砂糖のかたまりのように濃い。
チーズの味の強みと、うまく調和します。
右側のまんなかが、ラグーザの熟成タイプにシチリアのオレンジジャム。
皮のほろ苦さと、オレンジの味がしっかりとしていて、
家で手作りしたような果実の味が凝縮されたジャム。
上の、細長いチーズは、Cosacavadduで、これに、Modicaというシチリアのチョコを
乗っけたもの。カカオに、小麦粉と砂糖を混ぜて、焼き上げたチョコレート菓子のよう。
そして、ワインはシチリア赤、FRAPPATO。
シチリア南部でつくられるワインで、フルーティなハーフボディ。
最初に飲んだ瞬間、干しぶどうを食べてるみたいに、フルーティな香りがしました。
シチリアの太陽と土地の生み出す力強い味わいが、
島の景色を、ミラノの教室に運んできたみたいな
錯覚を感じるくらいのパワーでした。